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甘く見ないで!性感染症(STD)

2020/08/30 性病

 「この前、避妊具をつけずに性行為をしてしまったな」などといった経験はありませんか。 見知ったパートナーであるから大丈夫というわけではありません。「性感染症(STD)は、ごく普通のカップルの間でも広がっています。 また、風俗店や出会い系などでの遊びで不特定多数と行為に及んでいる場合には、性感染症にかかる危険性が増加します。 性行為は私たち人間が生きていくために必要な行為ですが、正しい知識を身につけなければ高いリスクを負う事になるのです。

 「性行為後、何日か経過したけど、症状が出てないからいいか」などの軽率な考えでいると、自身が細菌やウィルス等の病原体をばらまいてしまっている可能性もあります。 性感染症のほとんどの病気は潜伏期間というものがあり、症状が全くでていない時でも水面下で進行しています。 症状が出ていない時でも細菌やウィルス等の病原体は体の中に潜んでいる為、他人に移してしまうのです。 性感染症にもさまざまな種類があり、病気によって潜伏期間は異なります。 例えば短いものだと2日~7日程度ですが、潜伏期間が長いものだと数ケ月単位かそれ以上のものもあります。 ここで、代表的な性感染症(STD)をいくつか紹介しましょう。

1・淋病(細菌感染)
淋病は最も有名な性感染症とも言えます。 男性が尿道に感染すると激しい痛みや膿などの症状がでます。クラミジアと症状が似ていますが、淋病の方が痛みなどの症状が強いと言われます。 クラミジアがさらっとした膿なのに対して、淋病の膿はドロッと粘り気があるのも特徴です。 症状が分かりやすく、激痛を伴うため放置することは無いと思いますが、病原菌が尿道から前立腺や精巣まで侵入してしまうと、前立腺炎や精巣上体炎(精巣が痛み赤く腫れる)になる恐れがあります。

2・クラミジア(細菌感染)
クラミジアは2007年ごろから若年層の間で流行しており、この数年間でも10代~20代の若年層の間で増加傾向にあります。 感染すると、尿道に痛みや違和感、膿を生じます。クラミジアは性交・オーラルセックス・キスなどにより粘膜から感染します。 クラミジアは細胞内でしか増殖ができない細菌で空気中や水中ではすぐに死滅してしまうため、粘膜や分泌物との接触以外で感染する可能性は極めて低いです。 治療せず放置したまま性行為をすると、意図せず感染者を増やしてしまいます。 また、女性の場合は自覚症状が少ないので、放置すると不妊症の原因となる場合があります。 軽い症状でも、感染する覚えがある場合には医師に相談しましょう。

3・梅毒(細菌感染)  
梅毒は昔から流行している病気で、ペニシリンが発見されるまで不治の病として恐れられていました。 梅毒の厄介な所は症状が出ても放置しておくと消えてしまう所です。症状が消えても完治したわけではなく、水面下で進んでいます。 初期の症状としては感染した箇所にしこりができたり、リンパが腫れます。 感染して3ケ月ほどたつとバラ疹と呼ばれるものが出たり、小豆~えんどう豆くらいの大きさの隆起が起こります。 放置したまま末期症状まで進んでしまうと心臓、血管、神経、目などに重い障害が出ます。 症状に覚えがある場合にはすぐに医師に相談しましょう。

4・尖圭コンジローマ(ウイルス感染)  
コンジローマは比較的潜伏期間が長く、感染しても発症するまでに時間がかかります。 代表的な症状は、まず小さなイボ状の物が性器周辺にでき、その後に数が増えてきたり、カリフラワーのように肥大してきたりします。 治療法は、表面に出てきたイボ状の物を電気メスなどによる焼灼治療や液体窒素で取り除くことが一般的です。 ウィルスに効果のある”ベセルナクリーム”の塗布による治療を行う事もあります。 また、イボ状のものを治療しても体内にウィルスが残っている場合は再発率が高いので、根気よく治療していくことになります。 治療後も、3ケ月位は症状が再発しないことを確認しないと完治したことになりません。

 性感染症は症状が出ていなくても、自身で不安な点がある場合には検査を受けたり医師に相談したりすることが、拡散防止の上では大切なことです。 ほぼ自然治癒はしませんので、症状が出てきた場合には早急に病院に行って治療を受けるべきです。 当院でも、性感染症の検査や治療を行っておりますので、まずはお気軽にご相談下さい。

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