包茎について調べたことがあれば、カントン型包茎という言葉を聞いた事がある方は多いと思います。「カントン」は漢字では「嵌頓」と書きます。これは「元の場所から飛び出したものが元に戻らなくなる」という意味の言葉です。脱腸という症状もカントンの一つになります。
ペニスの場合は、包皮出口が狭いために亀頭が飛び出したまま包皮内に戻せなくなる状態を「カントン」といいます。包皮の出口を「包皮輪」といい、ここが狭い症状を「包皮輪狭窄症」と呼びますが、ネット上では「包皮輪狭窄症=カントン型包茎」として説明している場合も多く見受けられます。
特に勃起時に亀頭が飛び出したまま包皮の出口で強く締め付けられてしまうと、強い痛みを伴ったり、包皮が裂けてしまったり等というトラブルが発生することがあります。更に締め付けによってペニスの血流が止まった状態が長く続くと、ペニスの組織が酸欠を起こして壊死してしまい、最悪の場合はペニスを切断しなくてはならなくなるなど重篤なケースに至ることも考えられます。自力で飛び出した亀頭の嵌頓(カントン)状態を戻せない場合には、早期に病院に行き適切な処置をしてもらう必要があります。
当院を含めて、包茎手術を行っているクリニックでは「仮性包茎」と「真性包茎」の中間的な状態を「カントン型包茎」と呼んでいるケースがあります。これは、あくまでも包茎手術の説明時に、状態をわかりやすく分類するために使われる表現です。
ここでいうカントン型包茎の原因はいくつか考えられます。小さい頃に包皮から亀頭を出す癖をつけていなかった場合や亀頭の成長に包皮出口の広がりが追いついていない場合、外傷や包皮炎、糖尿病などの原因から包皮出口が硬く狭くなってしまう等の後天的な要因から起きるケースがあります。
いずれの場合も自力での改善は難しい為、手術を受ける必要があります。 カントン型包茎は、包皮出口の狭さの度合いで状態がいくつかの段階に分類されます。当院では、便宜上、軽いカントン型、中度のカントン型、重症のカントン型という風に、3段階に分類して手術費用を分けています。 症状としては、以下のようになります。
これらはカントン型包茎の分類の目安ですが、ご自身がどの状態にあたるのかを、正確に判断するのは非常に重要なことです。特に、3・重症のカントン型包茎の場合は、別項で説明する真性包茎と混同し易いので、注意が必要です。
・亀頭下性感帯温存法
カントン型包茎の手術は基本的に包皮の狭い部分を環状切開するという術式です。多くの方が「性感帯なので残したい」と希望される、小帯(=いわゆる裏スジと呼ばれる部分)を残すようにする術式です。包皮出口の狭さによって、その部分を広げる処置が必要となってくるので、一人一人の異なる状態・形状のペニスに合わせて、熟練の院長が切除ラインをデザインさせていただき、全てハンドメスによる、いわばオーダーメイドの手術を行います。
傷の縫合は、美容外科医が顔の治療にも使う特殊な針を使用して、細かく丁寧に縫うことで傷の治りも早く、傷跡が残りにくい治療を行います。
・背面切開法
背面切開法は包皮を紡錘状に切開し、その部分を横方向に縫合することによって、余った包皮がひっぱられ、亀頭を出すという手術方法です。
カントン型包茎では、包皮が狭くなった部分(狭窄部)にこの手法を用いることで、狭窄部の改善と亀頭の露出が可能になります。
背面切開による包茎手術は、他の術式と比べると、切開する範囲が少ないのが特徴です。
メリット
デメリット
・その他の治療
カントン型包茎の方は、状態によっては小帯(=いわゆる裏スジと言われる部分)が短かったり癒着といって亀頭と小帯がくっついてしまっている場合があります。特に中~重症のカントン型包茎に当てはまる方は、こういった症状になっている場合が多いです。これらを改善するために小帯延長や小帯剥離といった追加の処置が必要になる場合もあります。
・通院不要の自然に取れる糸を使用した手術について
当院の仮性包茎手術は、「仕事が忙しいので、通院の手間を省きたい。」、「遠方から何度も通うのは面倒なので、手術日一回だけで治療を完了したい」と仰る方のために、自然に取れる吸収糸を使用して縫合する方法も可能です。抜糸が必要なナイロン糸でも吸収糸でも治療後の状態に違いはありませんのでご安心下さい。吸収糸をご希望の方は、手術当日にお申し出下さい。
※吸収糸使用の場合は、糸代として別途1万1千円(税込み)が加算されます。
当院では術前のご相談から手術まで、院長が一貫して行います。
包茎治療について詳しくは以下URLよりご覧ください。
https://www.s-keisei.jp/houkei/index.html
◆院長(治療責任者)
岡 和樹.