2015/04/16 治療
南アフリカ・ステレンボッシュ大学にて、世界初となるペニスの移植手術に成功したと発表された。 今回手術を受けたのは21歳の男性で、3年ほど前に行った“割礼”が原因でペニスに深刻な合併症を発症し、ペニスを切断してしまったそうです。 若くしてペニスを失ってしまったこの男性に対し、亡くなった別の男性から提供されたペニスを移植する手術が行われたのは、昨年の12月のことです。 ケープタウンの病院で、およそ9時間にも及ぶ移植手術は無事に成功しました。 当初、医師団は2年後を目処に機能の回復を目指していましたが、術後の回復が予想以上に早く、わずか3か月で排尿機能はもちろん男性器としての生殖機能まで完全回復したことで、今回の発表に至りました。 南アフリカでは、現在でも宗教上の儀式として、成人になった証に“割礼”を受ける男性が数多くいるそうです。 しかし、割礼儀式の失敗によってペニスの切断を余儀なくされるというケースも、以前からいくつも報告されていました。 宗教上の儀式ということで、この割礼の手法に関しては詳しいことはわかりませんが、きちんとした医療機関で行われないうえ、儀式が行われる場所の衛生面にも問題があり、このような事故が起こるのだと言われています。 割礼を受けるのは、成人直前の18、19歳の少年です。 この年代の男性がペニスを失えば、精神的な打撃は計り知れないほど深刻だ、と医師は語ります。 南アフリカ政府は清潔な環境での割礼儀式を指導していますが、なかなか改善されないのだそうです。 もちろん、被害者が出ない環境を作ることが最も重要なことですが、今回の移植手術の成功は、不運にもペニスを失ってしまった彼らに光明を与える結果となりました。 同大学では、今後もさらに9人の患者へのペニス移植を予定しているとのこと。 今後も成功することを祈ります。 今回のペニスの移植手術は、割礼が原因でペニスを失った人々だけではなく、事故などが原因でペニスを損失してしまった患者にも応用が可能であるとして、引き続き世界の注目を集めています。 記事監修 新宿形成外科院長:岡 和樹 https://www.s-keisei.jp/shinjukukeisei/index.html